執筆始め21

小説というものを書いていくうちに、最終的な、始まりの原則として、「最後まで書き切る」という前提があるということを、再度思い出していた。ハウツー本に書かれていた。「とにかく、最後まで書き切ることが先決だ」ということであるが、ここまで考えてくると、その現実味というものが分かってきた気がするのであった。そもそも、書けなかった理由の一番には、「小説を書くというのは難しいもので、一部のそれが許された人間がいて、その人たちだけが共有できる才能のようなものだ」と考えていたのだ。「ひょっとして、自分にもその才能があるのかも?」と考えていた自分が甘かったんだと考えると、「ああ、俺には才能がなかったんだ」ということで、「ただそれだけのことだ」と簡単にあきらめてしまう。それが、自分の中で、諦めの境地を感じることで、簡単にあきらめるということができてしまうという自分を作り出すということで、「こんなことなら、小説を書きたいなどと思わなければよかったんだ」と勝手に思い込んでしまうことになるに違いない。そんな風に感じるのだった。(つづく)